書籍紹介/感想
天風本の中では、(文字が大きめで)分量も少なく、中村天風という人物がどんな人物かを知るのによい書籍です。軍事探偵時代のことだったり幕末の話しもあったりで、あっという間に読めてしまいます。
東郷平八郎の話しが、天風本の中で一番心に留めている箇所です。「幸福なる人生」という書籍に「山岡鉄舟」の講談も出てきますが、偉人というか達観した人はこの極地までいくんだなといった気持ちになります(たとえ身に病あれど心まで病ませない)
引き寄せの法則などの思考で人生を好転させようとすると、どうにもならない/叶わないことに対しては一転して悲観にくれてしまうことになるけど、この虚心平気のような心持ち、少しでも持てるようになりたいと思います。
強い命をつくる
情報班員/軍事探偵の試験科目(秘密募集/縁故募集)
①度胸
②武術
・仰向けに寝かされて、竹竿を喉の上にあてといて、竹竿を上から押されるのを二十秒間耐える
・柔道の稽古着の帯を首へ引っ掛けられて背負われて、道場を一回りされる(苦しんでる奴は不採用)
③注意力軍事探偵の訓練
(強い命をつくるの章より抜粋)
・鰹節一本で五日間校舎の天井で忍んで過ごす(立つことができない格好で過ごし、糞尿は人に知れないように始末する)
東郷平八郎元帥が晩年に喉頭癌に侵された時
「天風先生、このできもんは、痛みのひどいものですが、いったいどうしておればよいでごわすか」
「その病は痛いのが特徴です。ですから痛いと言っても、言わなくても生きているかぎりは痛みます」
「痛むのがこの病の特徴でごわすか」その後は一言も痛いと言わず、医者が診察した時も
(強い命をつくるの章より抜粋)
「お痛みですか」
「痛むのがこの病の特徴でごわす。しかし天風さんのお陰で元気でごわす」
思い通りの人生に生きる
たとえ身に病あれど心まで病ませない、運命に非なるものあれど心まで悩ませない(天は自ら助くるものを助く)
怒ることがあるから怒るんだ、悲しむことがあるから悲しむんだ、ということじゃ、人生に幸福なんざきやしないぜ
ケツの穴締めてると、そりゃもう人間の生命の強さが全然違ってくるんです。昔から水に溺れた人間でも、尻の穴が締まってると助かる。木から落っこった人間でも、尻の穴が締まってると助かるんです。
(思い通りの人生に生きるの章より抜粋)
敵をも味方にする
桂小五郎と近藤勇の果し合いの一場(講談)
笑いの人生に生きる
高杉晋作(と野村望東尼)が読んだ句
「面白きこともなき世をおもしろく、住みなすものは心なりけり」
※ Youtubeで要約してくれた方がいるようです。